
企業の生産性をあげるのは、社員のパフォーマンスがカギ
こんにちは。矢間あや(やざまあや)です。
私は、2019年に1冊目の本を出版して、睡眠の専門家として歩みはじめました。
若い頃は、グラフィックデザインを、妊娠をきっかけに海外のyogaに傾倒し、離婚後、小さい子供を抱えながら理学療法士(国家資格・リハビリの先生)になりました。
臨床現場では、医療の限界を感じ、また、予防の大切さを痛感。
病院で、病気や不調になった人を待つのではなく、病気や不調になる前に、予防する大切さを伝えていくために、出版を機会に、睡眠の専門家として病院から飛び出しました。
現在は3冊の本を出版し、また、新聞、雑誌、ラジオ、テレビなど数多くのメディアにも取り上げて頂いています。
出版した書籍は、ありがたいことに、重版することもできました。
とても嬉しい反面、それだけ、多くの方が不調を感じている、眠れない、ということでもあります。
グローバル企業がこぞってマインドフルネスを導入する理由…
現在は、ストレス社会と言われます。
NTTデータや丸井グループなど日本企業でも導入事例が増えている「マインドフルネス」。
GoogleやYahooといった名だたるグローバル企業が社員のストレスマネジメントとして取り入れています。
正式名称は、「マインドフルネスストレス軽減法」といいます。
米国マサチューセッツ大学のジョン・カバット・ジン博士が、ストレス低減プログラムとして、患者の痛みを和らげるために開発され、治療として取り入れていました。
しかし、近年の脳科学の研究で、
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脳疲労が解消される
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ストレスが軽減される
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創造性が高まる
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集中力が高まる
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記憶力が高まる
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共感性が高まる
などといった効果がみとめられました。
米国では約1800万人がマインドフルネスを実践しているといわれています。
約8割のビジネスパーソンが疲労を訴えている。
ハイパフォーマンスを求められる世代は、常に疲労を訴え得ています。
厚生労働省「2004年 技術と労働に関する実態調査」によると、仕事でパソコンや液晶ディスプレイを使用した作業(VDT作業)によって、約8割の人が身体的な疲労を感じている。と回答しています。

出典:https://xtech.nikkei.com/it/pc/article/knowhow/20090624/1016320/
近年、働き方改革で短い時間で高いパフォーマンスを求められるようになりました。
現代の疲労の正体は“脳疲労”がメインだと言われます。
私達が1日で受け取る情報は、江戸時代の1年分と言われます。
デジタル機器に囲まれ、交感神経が優位な過緊張状態が続き、身体だけでなく、脳の疲労も深刻な問題です。
さらに、長時間のデスクワークなどにより、身体を動かさない「運動不足」も脳疲労に拍車をかけています。
交感神経が優位な緊張状態が続くと、疲労だけでなく、心や思考・メンタルにも影響します。
さらに、2020年の厚生労働省の調査では、新型コロナウイルス感染症の拡大や行動制限により、約6割の人がなんらかの不安やストレスを感じていることも明らかになりました。
出典:新型コロナウイルス感染症に係るメンタルヘルスに関する調査の結果概要
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_15766.html
心と体を整えることで仕事のパフォーマンスがあがり、生産性が向上する。
疲れを引きずり、不安やメンタルがダウンすれば、当然、仕事にも影響します。
2018年に発表した「労働生産性の国際比較」によると、OECDのデータに基づく日本の1時間当たり労働生産性は47.5ドル(4,733円)、OECD加盟36カ国中20位でした。
2016年に比べると1.4%上昇したものの、順位は変わっておらず、就業者1人当たりでみた労働生産性は84,027ドル(837万円)、OECD加盟36カ国中21位となっています。
主要先進国7ヵ国の中でも、日本の労働生産性は1970年以降最下位が続いている状況です。
出典:公益財団法人 日本生産性本部「労働生産性の国際比較 2018」
https://www.jpc-net.jp/research/detail/002746.html
労働生産性低下の原因はいくつか考えられますが、主に、長時間労働の常態化と疲労の蓄積が考えられます。
長時間労働が続くと睡眠時間も短くなり、疲労が改善せず、ストレスや疲労が蓄積するだけでなく、判断力や集中力の低下、生産性の悪化、そして業務上のミスや事故につながります。
これらは、企業の労働生産性を下げるとともに社員のパフォーマンスを著しく低下させます。
社員の健康に投資している、ジョンソン・エンド・ジョンソンは、グループ世界250社、約11万4,000人に健康教育プログラムを提供し、投資に対するリターンを試算したところ、投資1ドルに対するリターンが3ドルになるとの調査結果が出ていると発表しています。
さらに、財務局調査による 「労働生産性向上の取組」について、従業員の処遇改善・働き方改革を行ったところ、顧客満足度があがり、売上高、経営利益ともに好調に推移したというデータがあります。
出典:財務局調査 「労働生産性向上の取組」
https://www.mof.go.jp/about_mof/zaimu/kannai/201901/roudouseisanseizirei093.pdf
企業が利益を出すのは「人」でしかありません。
従業員、一人一人が心身ともに元気で、持てる力を十分に発揮できれば、労働時間も短縮し、コニュニケーションも良好になり、そして、売上も改善されるのです。
最高のパフォーマンス=健康✖️仕事の方法論
約20年前、私が海外のyogaに傾倒していた頃、アメリカの理学療法士が「今アメリカではホワイトカラーが眠れない問題で困っている」と言っていました。
その頃は、気にもとめていませんでしたが、それから約20年の時を経て、今あの頃のアメリカの状態が日本にやってきています。
最高のパフォーマンス=健康✖️仕事の方法論
私はこの公式で、最高のパフォーマンスを表すことが出来ると思っています。
健康は食事と運動と睡眠の掛け合わせです。
その中でも特にパフォーマンスに直結するのが「睡眠」です。
特に、クリエイティブな仕事がメインの知的労働では、高度な創造的専門性が必要となります。
唯一無二の発想力や思考力が必要になり、常に自分の頭で考えて答えを出さなければなりません。
また、期限内で仕上げなければならないという時間との戦いのため集中力も必要になります。